夜、爆発音のあと所員皆で避難行軍した 膝上まである引け残りの海水はひどい冷たさで足を芯まで圧迫した 雪がしきりに降り出した。
要所で皆の点呼をとり2キロほど歩きほど高い丘の松ケ浜小学校に到着した。
そこで夜を明かすこととしたが小学生の椅子はあまりに小さく窮屈で教室の床に座ると床から冷たさが伝わってきてなおさら体が凍えた。
ここまではさすがに爆発や延焼の危険はなさそうに思えた これから何をどうするのかどうなるのかただ冷たさに耐えて夜明けを待つだけだった。
石油基地で石油ローリー積場エリアを津波が直撃した。
所員は避難していた基地の講堂で夜を明かそうとしていた。
ふと気が付くと次々に爆発音がしふと外を見ると夜闇の空を黒煙がさらに黒く染めていた。
その2週間後、消防の鎮火宣言により足を踏み入れると爆発はLPGローリータンクだとわかった。
その爆発で出荷施設は延焼しローリーの残骸は焼け焦げ屍のごと崩れ落ちていた。
あたりは砂浜と化し作業船が打ち上げられ戦場の後に足を踏み入れたような場所だった・・・
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