東京Ⅱ
高層次元空間
発見!
ここは都市のただなかでさながら青の世界に舞い込んだ異次元空間だ
大手町の街道を行く者は天空に向かって屹立する数々のビルに目を見張る
空間が垂線で分かたれ
見上げれば天空まで達っする
ビルは青くなお青くこの都市空間を、僕らを囲む
ビル影もまた群青を纏い蒼穹の下でこの空間を区画する
どのビルも垂直の厳密な計算と製図、建築技術のもとに存在している
現代の粋たる建築学の技術がある
垂直や水平の技術がありそれを実現する人がおり
現代的ピラミッドの労務とその折りなす都市空間の美術を垣間見る
人はこの都市空間に
人はこの空に青の壁画を描いた
そんな試みをだれがどう発想したのか
だれがどう企てたのか
しっかりと きっちりと 整然と
青をなおさらの青で切り分けて描いた
青の中にさらなる青の造形を描いた
少なくともその企ては成功している
多いに成功していることはたしかだ
夜の東京高層ビル群
高層建築が、夜空間を漆黒のもののように仕切る
夜空の深淵よりもなお深い建築学が支配する
それは得体のしれぬ漆黒の巨大空間だ
数々のビルの暗影は途轍もなき黒色の高さで存在を誇示している
そこから発せられるのは規則正しい配列 人造の格子の光
燦然明瞭な製図的規則をもった透き通った光の配列
冷ややかな光の整列と数々の明かりとは・・・
それはまた日々の数多の労務が
仕事に没入する人たちのエネルギーが放つ光でもある
東京の空が青い時
東京の街中が陽の光に 眩しさに目を細める時
蒼穹世界が支配する
太陽は目眩こうとも容赦なく青く冷たい光を投げかける
東京の空が青い時
それをどうやって心に抱こうか
そんな紺碧空間をどのように捉えるか
それは人が生きざまをどう捉えるか
もしかしたらそんな試みにも似ている